石の糸/そらの珊瑚
 
福島で除染作業に携わる人の中に
二十代半ばくらいにみえる若い女の人がいた
TVのインタビューに
「働かなければ食べていけないので」
と答えた砂埃の中の彼女の姿が
忘れられない

彼女が今も元気でいることを
祈ることくらいしかできないけれど

人の世に
石の糸を奏でる者がいる
音ならざる音が
燃えたぎりながら
ずっと続いている




※題はkanekoayanoのアルバム「石の糸」から。
(詩の内容はオリジナルです)



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