回帰/月乃 猫
 
につく

種の保存に声のない魚の 声にならない宿命は、
いつでも
いつも
いつか
この命を次の世につなげる役目

ここには、交差点を行き交う人の群れがないのですね
くだらないことに足をとられ ころんでも
手を差し出してくれる者もいない
ただ身を刺す 氷の水

北の海の 旅路を終える魚たちのサガが、
深海の
鯨たちの唄に答える 「 時は今
アシカの群れに逃れ
南、南、、南へ 故郷へ戻れ

流れる孤独の血の、その叫びに報い

もしも到達できないなら
もしも見つけられないなら
孕む幾100の子の命は、無駄死にしない
それゆえ 目指す

昔、黄金に男たちが群がった金鉱の 小川の終焉の川瀬に
肌を許すものを探すため

いつか子供たちは、海へ そして、々
私の死骸に群がる
カモメたちの
眼をついばむくちばしの鋭さに
安堵の死は
新たな命の黎明となれ





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