自称詩人が自称詩を書く理由/花形新次
 
死ぬのは怖くない
それは生まれる前に
戻ることだから

ただ、死んだ後も
生き続けなければならない
人のことを思うと
湿っぽい悲しみが
薄膜のように全身を包む

「何も悪いことはしていない」

本当にそう言い切れるだろうか?
生まれてしまったことに
罪はないのだろうか?

知らないうちに
傷を負わせてしまった人たちに
何を残せばいいのだろうか?

分からないから
取るに足らない
自称詩を書いている




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