まな板給夫のいる風景/プテラノドン
 
「まな板給夫のいる」は高架線下の天使と賭けをする。
手札の伏せてあるカウンターが震える。頭上に
ぶら下がっていた彼女の戦利品の数々。
その一つ、オレゴンの絵には
黄色のテント内、
突き出した支柱の傍らに、
獣の爪痕が描かれている。
「ライオンの爪痕よ」彼女はそう言いながら、
配るはずだったカードの一枚を例の白衣、その胸元へと隠した。
あれは「J」にも見えた。(後日、彼は興奮してそう話してくれる)
かくして「まな板給夫のいる」は、彼方の「J」を思い浮かべる。
 
「J」ungle そこでは、木を伝うヘラクレスオオカブトがギチギチと動き
木に縛り上げられたハンモックもギチギチ
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