銀河騎士隆盛記 壱 神の章 サーベルタイガーとの死闘 3〜4/ジム・プリマス
失うほどの激しい咆哮だ。
それでも尚、シーカゲ(カイゼル)は怯まなかった。
その獣の攻撃は一撃、必殺だった。驚くような身軽さで、シーカゲ(カイゼル)の頭上に飛び上がると、巨大な二本の牙を背中に突き立て、その必殺の攻撃から逃れたとしても、鋭く頑丈な、四肢の爪が四方から、同時に迫る、何物も逃さない絶対の布陣であった。
シーカゲ(カイゼルは)床を転がり、二本の牙による、必殺の攻撃をかわしたが、事実、顔に、鋭い爪による酷い裂傷を顔に受けた。しかし、その攻撃を受けた瞬間、シーカゲ(カイゼル)の両眼が怪しく光った。
シーカゲ(カイゼル)の全身から、稲妻が発して、その獣の体躯を覆うような電撃が、獣を襲い、電傷の煙が、容赦なく昇った。
しかし、その獣も、一度の電撃では気絶しなかった。シーカゲ(カイゼル)は全身から稲妻を生じさせ、その電撃は三度に及んだ。
三度の電撃の後、ようやく四肢の爪に込められた獣の力が抜け、獣はその巨大な体躯を氷の床に投げ出し、その四肢が四方に伸びた。
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