うろこ/
みぎめ ひだりめ
るんだろうか
おれは身体を丸くして 雲の隙間を覗いてる
まばたきもせず手を合わせ
ちいさくちいさく苦しみさえも縫っている
曙光が昨日を追いかける
ざらめた砂の塵が消えて
白雲が水を吹いている
風がゆるりと息をして
月がま白くなっている
おれは乾いた手をもたげ
黒いうろこを撫でている
冷たく煮詰めたこのおれの
すべてを散らした哲学が
鏡面に生えたわずかな傷のように
ささくれだって濡れている
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