現の内で、充ちる月夜/
ひだかたけし
光流のうねりにうねり
観念の壁、
薄いベールと化しながら
光帯の回廊から
階段の現れ続く
続きの果てへ
昇り詰めれば
緑の稜線の
ふと顕わ
遥か向こうに
頂き見出しながら
やがて岩稜になること
薄っすらと予感し
また光流のうねりにうねり
薄いベールを突き破る瞬間 、
意識によって生み出されるもの
今に意識に現れ来るものと
見抜けんか
そう問い掛けながら
黄白く微笑む満月の、
いよいよ天空に昇り詰める
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