弾圧/栗栖真理亜
押し込められたことば
もがき続け
外への憧れ持ちながら
口には大きな罰マークのついたマスク
よく見れば手足は頑丈なロープに縛られていた
伝えたいことがあっても決して伝わらず
ほんの僅かに認めてもらいたくとも認められない
大きな目で笑いながら見下ろす大入道
けむくじゃらの足がニュッと伸びて
そのまま踏みつけた
チクチクする草雑の下敷きとなり
黒い虫けらのように飛び散る体液
「そんな根性だからお前はいつまで経っても駄目なんだ」
まだ耳元で笑い声が聞こえる
潰れた臓物から滴り落ちる液の涙のような雨音
絶え間ない屈辱と諦めが奏でるハーモニー
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