夜でなく、夢でもない。/中田満帆
ようとしている。わたしは愛を知らず、友を知らず、そして精神的な充足もなく、ほとんど多くをその場限りの刹那的な消費と表現で補って来た。しかし、それももはや終わることにただただ喜びを感じるだけだ。想像して欲しい、家族愛も周囲の理解もなく、ただじぶんの問題にふりまされた挙げ句、アルコールの魔の手に掴まれた、無知な男がじぶんや他人できることはただべつの問題をつくりだし、それを口実にすることでつねに本質から逃れることだ。じぶんを注目に置こうと無益で無残な花を散らすことだ。満足な知力も、基礎学力もなく、学歴もなく、人間関係も不在ななか、できることはただつくることだった。みなにわたしの虚無を識ってもらうために、
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