夜でなく、夢でもない。/中田満帆
いつづけたし、わたしはまたもじぶんの世界に陶酔していた。じぶんの創りだすものに酔っていた。
よし、それでいいだろう。
最後の晩餐といこうじゃないか。
われわれはまたしてもパトカーに乗った。そして明け方の街を疾走した。
なあ、あんた、ずいぶんと落ち着いてるじゃないか?
おれたちがあんたの希死念慮をどうやってキャッチしたか、知りたくないのか?
わりと、どうでもいいね。
もう死ぬんだから。
でも、まるで死が先回りをしてるようだね?
ふたりは目配せをして嗤い合った。胸糞がわるくなる。
もちろん、おれたちの
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