落ちるマサカリ/秋葉竹
 


突然の
マサカリに
腰を抜かした

へー、腰を抜かすってホントにあるんだと
冷めてじぶんをみているじぶんもいる

たぶんあと3センチ前にいたら
絶対当たっていた
落ちてくる音は聴こえたし風圧は感じたし

たぶん神さまがいらっしゃって
「オマエは、まだ生きろ」って
おっしゃってるんだなと想った

ただ、
「わが身を見直せよ」と
「いつ死ぬかもしれない世界だぞ」と
「そんなまんまで良いのかい?」と

当然、落ちて来たマサカリは
跡形もなくすぐに消えて
そこにはただ、
地べたに座り込んでいるじぶんがいるだけ

それは夢ではなく
幻の出来事でもなく
夕闇の人通りも多い商店街で起こった
ホントの
「突きつけ」だった


なるほどなるほど
それはそれでまた考えるさ


ゆっくりと立ち上がりバンバンと汚れを払い
照れて唇を少しあげながら
ゆっくりと歩き出したのは

あたたかい人の居る
やすらぎの我が家へと








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