琵琶湖で出遭った奇妙な人/花野誉
うに琵琶湖を眺めていた。
昼休みでのんびりにしに来たのかな、くらいに思って、また琵琶湖を眺めていたら、その男が立って、トコトコ歩き出した。
歩き出して、左斜め向こうにある階段を降りていった。
その階段は岸壁から琵琶湖に降りれる階段で、恐らく、小舟を着けて、そこから上がるためのものかなと、勝手に私は認識していた。
その階段を男が降りていく。
さすがに興味を引かれて、その男を見ることにした。
私の場所からは、男が階段を降りて、小さな踊り場で膝を抱えて座り、湖を見つめているのが見えた。
ちょっと異様な感じがしていたら、NとSからも、そのサラリーマン風の男が見えたようで、二人共こっち
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