月は夜を統べる、幻想の義眼を髑髏にはめて。/菊西 夕座
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夢はすべからくすべすべとしたまるい顔
ひとよんでのっぺらぼうという名の妖怪
さそわれて、肩たたかれて、ふりむけば
人まちがいだろうけれど「なんかようかい」
夜空は月の目玉を光らせて幻想を息吹かせる
夢はすべからくすべすべとした神対応
人まちがいの妖怪にはまちがいないと
つるつるとした顔にみとめるなにもなさ
みとめられた嬉しさできく「月のようかい?」
精神は月の盤上に世界を詩的に再構築する
月は住みかけてもすみから欠ける天邪鬼
ちかよってみればみるほど目だつおうとつ
それを承知でおい掛け夜(よ)をすべる「顔の溶解」
死と踊る衛星は鏡
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