詩想、辿道にて(改訂)/ひだかたけし
雪の三千メートル稜線を
登って降りてまた登り
やっと槍の穂先
ピークに至り
青息吐息、霞む視界
ふっと明け拡がり
地に着く宙空に鮮やかに
青い青いテントの現れた
板張り浮き出た掘っ立て小屋の現れた
(そうして相棒に想わずまんま伝えたら
おまえ大丈夫かよマジと言われハッとし)
己の限界ギリギリ迄追い詰められる時、
眩暈する時の瞬きに浮き出る幻像を
現出させる想像思考力能担い持つ
人にはそんな物質肉体以上の
〈在る〉にカタチ与える意志
エーテルイノチの体ノ宿り在りと
けれど今の朝に夕に瞑目し
覚醒しつつ命懸けにて
りらっくすらっくす静観し
表象
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)