yankee/プテラノドン
街は停電していた。僕等は街外れのバッティングセンターへ向かっていた。
夜だというのに「竜巻が渦巻いているせいだ」という友人はヤンキーで
彼が走らせる車は、真っ暗な交差点に渦巻くいくつかのそれをかき消そうと
猛スピードで突っ込んでいく。ご自慢のそのガイコツのキーホルダーがかちゃかちゃと
揺れているよ。「よく知っているね」が口癖の彼は、よく知ってると
褒めようとするけれど、「よく知らないくせに」と言われて傷つくこともあった。
せまい箱の中で僕等は窮屈だが、よく知らなくても人生の選択肢を並べて遊んでいる。
もしも、あの娘が働く花屋で抱えきれないほどの花束を買って
街中にばら撒くことを
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