あかるいあさ/
落合朱美
月はやがて
西へかたぶく
闇は薄目をあけて
とうとう光を受け入れる
朝は少しきむずかしやで
眉間に皺をよせながら
うすむらさきの靄を吐きだす
なにもかもが起きだす前の
ほんの密やかな静寂を
知っているのはだれ
朝陽は大輪の花のごとく
意気揚々とのぼっては
夕べに渦巻くドクロたちを
またたくまに消し去って
なにごともなかったように
一日のはじまりを告げる
ぐうたらな番犬が
寝返りをうって
背中に光をうけている
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