どこへいけと/
蕎麦屋の娘
さあ、行った
こいつはスクーターをお持ちだ
ふたたび楽器になり
スクーターの上(へ)に催す
ここへは行ったきりだ
去り際に〈戻ってきた話〉
を置いていくばかりだ
酒場で喉をつぶす以外にない
このぐらいにしておく
真に暗きを、鹿撃ち帽の君は
椅子のなかでくしゃみをした
ガリックのように吊るし終えた
雲辺を断えて 〈どこへだって〉
スクーターで出て行くには充分に早い
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