スローな世界に憧れて/秋葉竹
 
うな
どんな欲望も眠りつけてくれそうな
閑かで静かな
夜が好きだ

そんな夜も
今ある朝も
想いつづけているのは
(敵は、作りたくないなぁ)
平らかでなくても
穏やかでなくても
石ころだらけの坂道でも
棘だけはない人生を歩みたいな、


「どうでもいいって、感じなん?
どうでもいいやつしか、入れへんてこと?」

また彼女が突然語りかけて来た
寝言で?

あるいは、起きてる?

「もう、いいって。〇〇さんて」

ちいさく呟いて
ちいさな寝息を立てている


波風立てずに生きたいと
心の底から希うけれども
きっとそんな日常はやって来ないし
やって来たとしたらそれこそ
なぜひとは生きてるのかってそんな馬鹿げた
問いを発しそうになる

青春映画じゃあるまいに







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