なんか/みぎめ ひだりめ
たい
バスが揺れる
変哲のない 順路がどこまでも
このからだを ゆっくりと押し進める
言葉にならなかった なんか が
飲み込まれて 腹に沈んでいく
形にならなかった なんか が
静かに その形象を崩していく
バスは進む
赤いブザーを 誰かが押す
なんか 軽やかに
過ぎ去ってみたい
なんか 誰かに
思い出してほしい
なんか すぐに
終わってしまったら やだな
そうだ やだな なんか
なんか なんか
零れ落ちていく
このからだに沈んだ
なんか が
今日もわたしを突き動かす
なんか なんだか
そうだな
今日は
おなかが すいた
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