ハイランダーはまだ来ぬ/
花野誉
の雄々しい姿
濃い緑と茶のタータンをはためかせ
馬を走らせて
風の中で響くようなゲール語と
バグパイプの音色が近づく
あと少し
最後の砦は厳重でもどかしく
やっと梱包を開ければ
二巻!
まさか、ともう一つの梱包を開ければ
三巻!!
嗚呼───
膝から崩れ落ちる
一巻は明後日届くらしい
ハイランダーの腕に抱かれるのは
暫し おあずけ
こんなことで
一喜一憂している己が
幸せだな、と
二冊の本を抱え
ぼんやり思う昼下がり
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