PRIDE/凍湖
誰かが蝉のようだ
と言った
虹色の6月の間だけ
土中からいでて
短い間にぎやかに鳴いて、次の月にはもういない蝉
そんな儚いものではない
わたし/たちは
わけなく嫌われて
叩かれても叩かれても
なんでか一年中すぐそばにいる
ゴキブリのように生きなきゃいけない
陰に潜み
じっとしてても
ここにいる
同じ星で
同じ家で
同じものを食み
同じ空気を吸って
同じ景色を見て
まるで違うことを考えている
虫は虫でも
地上最大にしぶとい虫でいる
そういうもんだろ、PRIDEってさ
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