展/Q/あらい
 

海と陸を絶つ胎盤は漏斗の奥で
ひときわ高い山のいただきから見た
あなたはオリフィス
接続エラーの胞子
くさのね、ぬけがら
構造を拒みながら育っていた
klepsydra(クレプシドラ)は 
一色を割って朝と夜の間に消えた

見上げるという行為は
劣化しない笑顔で
ひとつの石はくるりと変えてしぼんだ
ひかれない壁のようにふれていた
乾きかけた油膜にかさぶたとして
てのひらにあますことなく
のこってしまう

あの、誤差ではない、口を
閉じている風を見届けるために
マネしただけのこと
かたちを和え手飾り、きらめく
ゆびきりするかのように
とおくて。うわごと
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