ひたすらに/秋葉竹
 


ひたすら
ただひたすらに希むことは
《悲しみよ、去れ》


日々日常は今朝もやって来て
今から私を勘弁して欲しい暑さのなかへ
連れてゆくのだ

そこには信念さえもねじ曲がるほどの
苦痛に満ちた部屋が待ち受けている
エアコンの効いた灰色の部屋だ


窓から眺めると
目の前に水色の鳥が飛んでいるのがみえる
ぐるぐるぐるぐる飛び回る

そういえば『青い鳥』って
どこにも居ないんだったっけ?
なんだか清らかな歌を歌ってくれている

まぁ、よし、そうだな
冷蔵庫にキンキンに冷やしてる
アルカリイオン水でも飲んで

あのとても嫌だけど
エアコンのよく効いた
灰色の部屋へと向かおうか

それが生きてるってことさ、
とか、テキトーじぶんに云い聴かせて
ひとりになってしまったこの部屋を出よう


ひたすら
ただひたすらに希むことは
《悲しみよ、素早く消えてなくなれ》


 
 
 
戻る   Point(1)