恋のあとがき/自画自計
 
始めるつもりも見つけたつもりもないけど
治りかけの傷口が開いたような

心地よい揺れに身を委ねていたのに
人波のざわつきとアナウンスで
確かめもせず飛び出した
プラットフォームのような

始めてしまったその恋は
分厚い小説のどのあたりか
解読不明のミステリーなのか


目には映らないものをたぐりよせていく
信じた想いを疑いながら

伝えたい言葉は一つなのに
伝わる思いは恋愛小説のあとがきのような

始まってしまったその恋に
君のせいだよとつぶやくのか
恋と名付けた書きそびれの歌を送るのか

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