メモ(ドアを蹴飛ばす)/はるな
 
たことがない。じっと見ている。開けて、出ていくこともほとんどない。ただ、いくつものドアを開けて、入ることはした

「わたしを傷つけないでください」と思うことができる日が来るかな?

でも、時々、(思い出せるかぎり一番古いときからすでに)、誰にも触られない、と強く思ってた。だれにも入ってきてほしくない。強く思ってたから、どうしたらわたしに触れるか今はもうよくわからない。顔もかたちもわからないので、定期的に(強引な方法で)確かめる必要がある。
そんな必要なければよかったなと思ったりもする。

何もかも必要じゃなければよかったなと思う。だって、砂利道を転がったり、なんどもがけを飛び降りたり、寒すぎる冬に裸で眠ったり、そういうことが必要じゃないならよかった。(でもそれらは絶対に必要だった、そういうことをしなければここまで来られなかったし)今も、本当に生きていていいと思う日が来るのかな?と不思議なきもちでいる。するべきことと、すべきではないことだらけの時間のなかで、そういうものがすべてなくなって、それでも生きていていいとわたしが思う日が本当にくるのかな?

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