主語を欠いた庭園/
ひだかたけし
私のものでありながら
私のものではない想いの束
吹き抜ける風紋のカタチ、
薄日射し蟹走る浜辺の磯の香、
いつか忘却され又想起され
透徹と普き哀しみ通り過ぎる
宙宇の燃焼
映し出されながら
二度と戻らぬ韻律たち、
置き忘れて来てしまう、常に不断に
私に属しながら決して私に属さぬその巨大なスケール
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