みずいろ/みぎめ ひだりめ
 
過去よ
あなたを 引きずっていく
とめどない ひかりの奔流
冷めるように ひろがる
その 指先の みずいろの波
鹿たちが 海を駆けていく
森の透くような そう
透くような 香りがする
もうすぐ ゆっくりと 日は 落ちて
むかし読んだ ものがたりの よう
柔らかい夢のなか
感じうるものは すべて きらめき
その みにくい たましいすら そう
朝を抱くのも 叶わぬ
その ま白い手の かすかな ふるえも
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