恋の終わり(改訂版)/梓ゆい
 
恋が終われば
理由が無くても詩が書きたくなる。と
誰かが言っていた。

女は若さが有利で全てだ。と
存在を否定するかのように切り裂かれ
死の淵の手前で泣き崩れたまま
楽になれれば。と動けないでいた私も
思いの丈をぶつけるようにペンを握り
白い紙に殴り書きをする。

尖った爪先で
身体中を掻きむしるかのような苦しさの中
切実に手を合わせた縁結びを未練なく切り捨てて
関わるモノを断ち切りたいと思うほど
心をかき乱し続ける叶わぬ想いや
何も言わずに受け流し
腹の奥底で留まったまま
吐き出すことも出来ずにいた感情は
声や言葉に姿を変えて
一遍の詩が受け止めてくれた。

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