白いシーツの波跡/まーつん
 



胸と背中に挟まれた
狭い胸郭のお立ち台で
夜もたけなわと、踊る心臓

ドックドックと五月蠅くて
寝返りを打つベッドの独り身

いっそのこと、止まってくれれば
永遠の眠りに安らげるのに、と
暗がりの向こうで見守る
天井に向かって、不満を呟く

なんで生きねばならないの

(その問いに
答えられた者はいない)

なぜ愛さねばならないの

(愛は努めではなく、契約でもない)

神に向かって
駄々をこねる言葉は
今夜も天井に遮られる

時は滞留し、懊悩で濁っていく
その見通しの悪さに目を閉じて

シーツを掴んで
鼻をうずめる


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