あいをさがすということは/浅い殴打
わたしの
わからない所で
泣いている
あなた
わたしの
睡ってしまった
間に
膝を抱えて
枕を濡らして
虚を見詰めている
どこかに居るようで
どこにも居ない
わたしは
その背を
擦(さす)れたらと願いながら
同じような瞳で
虚を見詰めている
あなたの中のかみさまに
「お許し下さい」と
御経でも、お題目でもありません。
ただ
あなたの中のかみさまに
わたしは訴える。
波紋になって
言葉の解らぬ胸まで
きっと届きますように。
どうかあの人の苦しみを
少しでも一秒でも
緩やかなものに、して頂けませんか。
… … …
「祈りは無駄ではありません、
何も出来ない人の為に
あるのですよ」
いまなら祈りの虚しさも
呑み込めるのに
わたしは潔癖に冷笑に
あの日のあなたの祈りを
蹴飛ばした
払い除けた
裁断した
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