綺麗事/
花形新次
私が若かったとき
あなたはとても美しかった
美しいあなたに
偶然街で出会ったとき
私はそれまで
言おうと思っていた
言葉を言うことが出来ず
僕のこと覚えている?
としか口に出来なかった
あなたは少し残念そうに
首を縦に振っただけだった
残念そうに見えたのは
私の思い込みでしかなかったかも知れない
他に伝えるべきことは
沢山あったのに
後悔はいつの間にか
諦めとともに
綺麗事に変わっていく
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