五月は終わり/tonpekep
 
遠くなっていきますものが
小さなものと大きなもので
知らないものがたくさんできて
そうして見知らぬひとになってゆくのでした

ありがとうがとても透きとおって
私の前で響いているのでした
悲しいものがそこらじゅうで
恥ずかしそうにきらきらするのでした

私は笑うしか
戸惑うすべが
ないのでした

夏の光が
あざやかな速度で私を
運んでいくのでした
戻る   Point(11)