破綻/
凪目
いる
あなたは証書を自慢したり
渇くばかりの塩水を飲み干そうとして
ぼくは焼けただれるまで焼却炉に耳を押し当てていた
うーん この鍋は熱すぎて
誰にも持てないみたいだね
そうかよ
全部めちゃくちゃになればいい
誰かがどこかでありったけ泣いている
だいじょうぶだよ
だいじょうぶじゃなくても
だいじょうぶじゃないことが たしかなのだから
たしかなことがひとつあるなら 大丈夫
すみれの花が咲いている
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