つれづれと俳句(無季)」/大町綾音
 
人のいない深夜のナースステーション

のそりと出て互いに驚く顔見合わせ

せめてコーヒーくらいは喉が欲している

朝のすきま戸のすきまを吹く優し風

所有欲さえぎるフェンス淋しくて

つめたさとぬくもりの差にすこし怯え
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