メモ/はるな
 
晩中。夫の腕を借りたり、むすめの頬を撫でてみたりしても眠れなかった。四月の床はまだつめたい。
つぎつぎ買うお洋服。毎日爪を剥いちゃうこと、むすめ、優しくてごめんね。それもついに言えなくなってしまう。

南瓜を、母がよく煮てくれた。でもあんまり好きじゃなかった、甘くて柔らかくてよくわからなかった。あまり箸をつけなかったけど、今はわたしがそれを煮ている。やっぱりだれも箸をつけないまま、何日も何日も冷蔵庫で冷やされる南瓜。
蚕豆や独活を買ってきたりもする。猛々しい筍も買ってみたい。買って、眺めて終わるのだ。そうして春が終わっていく。





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