色彩/
たもつ
色彩の無いまだ
生物未満のものが
漂う原始のような海で
わたしは風の匂いを嗅いだ
ここにいる理由を
誰が説明できるだろう
ここにいる意味を
誰が否定できるだろう
ざわめく孤独と鼓動
走ることに夢中で
泳ぐことも忘れていた
あなたの名前を呼ぶ
呼びながら疾走する
初めて呼ぶ名前はあなた
産まれる前からずっと
そう決めていた
明日というものがあるのなら
見てみたい
聞いてみたい
触れてみたい
海にしるしを刻む
わたし、
色で今を埋めていけ
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