骨粉/リつ
 

だんだん死んでゆくヌイグルミより
継ぎ接ぎしたスクラップメタルより

寒い。

そんなふうに
寒く青白く
どこまでも冷たく
燃え

私は燃え続けるのだ。


死臭さえ無機質に
せめて凍てついた指の揺らめきから流れる血が明かければ

くちづけは
赦されるのだろう。



熱は地獄の確かさで渇く。

干からびた私は砕けて羽根より軽く降り注いでは、
あの清い眸を蹂躙し尽くし
黝い瞋恚の焔
赤赫と
私を憎んでくれたなら

奇跡以上に本望だ。


くちづけよりも尚白く
山梔子よりも尚甘い
浮遊する
骨の粉


魄を宿して消え残る。

            


            日本web詩人会 初出
戻る   Point(4)