キミの体温/栗栖真理亜
 


哀しみの境界線がふたりの間に引かれて
君はいつしか僕を忘れてしまうだろう
僕とは違う誰か素敵なヒトの手を取って
ますます僕の手の届かない所へと行ってしまうだろう
君を想い涙流す日々も
柔かな物腰で僕を包み込む君の慈しみも
すべて過去のものとなりセピア色に染まってゆく

あぁ、もしこのひとときでも許されるならば
安らかなる温もりを今だけ受け止めたい
君のその静かな炎で身を焦がしていたい
輝く月が私の頬を白く照らす間だけ
君を胸元に引き寄せ抱き締めていられたら
私はもうなにも欲しいものはない

さぁ、君だけにこの詩を贈るよ
そう、君だけに

だから、いますぐ黒光りするソファーから腰を上げ
両手を広げて僕を迎えに来て欲しい
ふたりの未来は決して
どんな障害も乗り越えてゆける強さを持っていると信じているから
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