ある寒い春の日/ホロウ・シカエルボク
かべることが出来る、僕は人づきあいが恐ろしく下手なのだ、でも彼女となら少しマシに出来ると思った、だから彼女をこの家に招き入れた、それは思ったよりも上手くいかなかった、それはきっと僕のせいなのだろうけれど、僕らは常にバランスボールに腰かけているみたいにグラグラしていた、でもそのうち落ち着くところが見つかるだろう、時間が沢山過ぎて行けば、二人で過ごすやりかたというものが自然に出来上がって来るだろう、僕はそう思っていた、自分でもどうしてなのかよくわからないのだけれど、僕の中でその問題はそのまま片付いてしまった、いまこうして思い返せば、彼女は僕のそうした無関心―あえてそう表現するけれど―のような態度を何度
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