癖/松本 涼
 
ぽたりぽたりと憂鬱から漏れている
コールタールにもよく似た僕の雫は
吐き出す煙りに撫でられて気だるく踊る


風通しの悪い窓辺で聴く喜びは
静かな日々を願いながら
喧騒に寄せられる情熱


数を持たない世界で笑われる意識と
紛れもなくこの身体から
生まれたと思い込み
滑稽にはしゃぐ旋律


だけどそれは単純に
僕の癖のようなもの

ぽたりぽたりと生きている

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