あまりにも込み入ってだけど在りようとしては単純/ホロウ・シカエルボク
 
りながら鼻を鳴らす、システムが大事なら大人しく社会に含まれればいい、型枠を必要としないのが俺の人生だ、同じようなものを書いているように見えるかい、でも少しずつ変化しているんだ、数年前まではひとつの意志を持った塊であることが大事だと考えていた、内容物にはあまりこだわりはしなかった、でも近頃は、そう―豆を厳選して珈琲を入れるみたいに書こうとしているよ、昔よりも隙の無いものが書きたいんだ、きちんと固めたコンクリみたいなものがさ…水をあまり入れずに丁寧に練り上げたコンクリさ、そいつはドリルを通すのも一苦労なんだ…そう、少し煩いくらいのものを書き上げたいのさ、そうすることがいまは大事なんだ、そうだな、でも―
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