Lark's Tongues in Aspic。/田中宏輔
して見ると、「いっぱい」という言葉の意味と、汎神論というものとの結びつきが、よけいに強く感じられた。
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ヨハネによる福音書の第一章・第一節に、
「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」とある。
だったら、毎日、神さまが、ぼくの中を、出たり入ったり、入ったり出たりしてるってことだ。
──泣いているの? 私のために泣いてくださるの? あんたは、私を愛してくださるのね。
(モーリヤック『テレーズ・デスケイルゥ』杉 捷夫訳)
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ママン、じき治るわ。
(プルースト『失われた時を求めて』第三篇・ゲルマントの方、鈴木道彦訳)
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