幻日紅/
あまね
南の風に風景はとけこんで
流れていくみたいにゆれてる
つぼみたち
空はあおい
どうしようもないくらい
あおい
白い香りがくる
偽りが新しい偽りを連れてくる
細い糸を曳くみたいに
目をやると白い少女が立っている
痩せた足をつたって 経血みたいな
紅色が流れる
ぽつり
ぽつり
空はどうしようもなくあおい
白い少女は歩き去る
ひとつ、またひとつ紅色を残しながら
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