こんな日こんな春、始める初め/ひだかたけし
 
今、仄か温かく
微風のそよぎ素肌撫ぜ
しんと快晴の明け 、

深々と到来するこの朝に

あすこでボール投げ合う
あの子この子の声 木霊して

やり過ごしてしまった時の
実に宏大な奥行きぽっかりと

気付けば 、

時の流れ打ち付けられ
青み帯びる氷瀑と化し

ゆっくり開くこの意識、

昇り始める陽の熱の
燃え立ち放たれる光に

自らの外へ出ていく旅支度、
空と化し促され
ちかくとほい肉身を見据える

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