幻夜航/あまね
 
ちいさな舟が夜の海をゆく
破れた帆にわずかな風をうけて

帆柱には古ぼけたカンテラ
光はにぶいが少しあたたかい

月のない夜だから
真っ暗の水面は永遠みたい

とじこめられているのかしら
それともどこへでも行けるのかしら

舟は旅をつづける
いつかたどり着く入江を夢にみながら
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