砂浴び/
そらの珊瑚
オルゴールのふたをあけると
ことりが砂浴びをしていた
昔のメロディで
ほんのりと温められた砂は
極上の石鹸で
泡こそ出ないのだけれど
日々の汚れを落としてくれる
ふっくらと
よみがえったことりは
ちいさな世界に
湯気をまとわせた
殻付き音符をひとつ産んだ
耳をすませば
ことり、
もうひとつ
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