葬列/下位次元展開/あまね
は残らないだろう
無人のまま漂流する船は
ときどきちいさな魚につつかれて
少しずつ浸水していく
無限遠に広がるこの世界を切りひらけば
彩雲の映える空のあたりと
ぼくの足元に転がる小さな死骸とが
繋がったりしないかなあ
それはただの白昼夢だから
すべてなかったことにしてしまいたいよ
なきがらの数をかぞえる
そのなかにぼくがいくつか含まれている
ひとつずつ埋めていく
鉱物質のかなしみはかなしみのままで
永遠なんてものがあるとしたら
きっと永遠にそのままで
ひとつずつ並んでいる
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