こんなにも素敵なことが溢れている日々を/阿ト理恵
藤さんていって、私の親友なんだ。私の恩人なんだ、だからいい人なんだ」と。毎回毎回、通りすがりの人にも指差して満面の笑みで云うのだ。
5、星が見える窓を作ったの巻
じいちゃんは、昔ロマンチックな男子で、「月がきれいだ」と女子をくどいたらしい。結婚し子供ができた時に、ついに寝っころびながら本当に月がきれいに見える窓を作って、子供に月の話しを語っちゃう父になり、じいちゃんになってからは、孫と一緒に流れ星を見つけては願い事をつぶやいといるのだ。その願い事がなんなのかを、まだ誰も知らないのだけど。
6、うさぎになって紅茶をもらうの巻
仕事に行っている家で、飲み物はいただいてはいけ
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