癒しのうた/秋葉竹
吹く風は悲しみを忘れて
だれにもみえない透明なキスを
そっと
愛するひとに
くれていってくれるのだろう
なんて
カッコだけつけて
宵闇を待ち
待ちつづけ
闇を忘れるほどの不幸なんて
とっくになんども
飲み込んだんだから
だれに
なにを云われても
洗われる心の優しさの中に
そっと深夜をのぞむ悲しみがいたり
正しい声で呼ばれたのに
なぜか振り返らないじぶんがいたり
ただ
だれのものでもないじぶんの好きは
だれにも伝わらなくてもいい
ただじぶんが好きなのは
そんな風に瞳を濡らしている
君
なんだ
それで、なんだけど
それで、よぉ、
破れた悲しみを
癒させておくれ?
戻る 編 削 Point(2)