癒しのうた/秋葉竹
 
吹く風は悲しみを忘れて
だれにもみえない透明なキスを
そっと
愛するひとに
くれていってくれるのだろう

なんて
カッコだけつけて
宵闇を待ち
待ちつづけ
闇を忘れるほどの不幸なんて
とっくになんども
飲み込んだんだから
だれに
なにを云われても

洗われる心の優しさの中に
そっと深夜をのぞむ悲しみがいたり
正しい声で呼ばれたのに
なぜか振り返らないじぶんがいたり

ただ
だれのものでもないじぶんの好きは
だれにも伝わらなくてもいい
ただじぶんが好きなのは
そんな風に瞳を濡らしている

なんだ


それで、なんだけど
それで、よぉ、

破れた悲しみを

癒させておくれ?









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