君を想えば/栗栖真理亜
 
、君の知らないところで私もいま君がどこにいるのかさえ分からない
まるで盲目(めくら)のように彷徨い歩き君を探しつづける

もしも一筋の光が暗闇に差し込んだならば君を探し当てることが出来るのに
逆光のなかで君の姿を見つけるのがこわい
愛するがゆえに掻き毟りたいほどの胸の痛みを憶えるでしょう

もうひとり誰かの存在を認めたならば
どうか定めよ、運命よ、歯車を回しつづける神よ
私と彼とを結ぶ細い糸を鋭利な刃で断ち切らないでくださいますように
私の願いが届きますように
戻る   Point(0)